小学生でも歩けちゃうスペイン巡礼830kmの道

百三十一歩目 文月の思い出

2016.7.18[MON]

先週末、スペイン帰りの先輩がお店に寄ってくれてEl Camino(スペイン巡礼)の土産話をしてくれたので懐かしく当時の(と言っても2012)子どもたちの写真を眺めていました。
  
まだあどけない表情の彼らが(左:六年生、右:四年生/当時)まさか徒歩でスペインを横断するだなんて・・
  
スタートは弟(右)の誕生日7月16日。
スペインの空はどこまでもクリアで広く深く濃い青色でした。
  
ピレネー山脈を2日かけて山越えし、麓の小さな町でパチリと一枚。
  
体重の半分の重さの荷物が肩にズシリとくるけれど、まだまだワクワクがとまらないこの道の序盤でした。
    
この時、母はがんと闘っていました。
  
  
僕らはこの後、予想していなかった壁にぶつかり、想像すらしていなかった問題に直面し、ひとつひとつと向き合っていきながらそれでも歩を緩めることなく毎日毎日ただひたすら歩き続けました。
  
自分たちに力をくれたもの・・・
それはみなさんからのあたたかなメッセージ、出会う人々からの励ましや声援、いただいたたくさんの祝福でした。
  
  
後日、母はホスピスでこう語りました。
「あの子たちが今日も歩いてる。重い荷物を背負って今日も歩いてる。そう思うと私もがんばんなきゃって思うの。あの子たちが元気と勇気をくれたのよ。」
  
39日間、830kmにわたる冒険の日々。
この冒険の道で出会った人々に、僕は2つの質問をしていました。
  
  
・あなたの人生で最も大切だと思うものは何?
  
  
病床の母にも同じ質問をしました。
  
この時の答えが、僕が母と交わした最後の会話でした。
  
  
昨日17日は母の命日であり3回忌でした。
こうして想いを馳せて書けるようになったということは、前より少しだけ向き合えるようになったということなのでしょう。
  
  
  
  
旅するココロ
  
空はいつまでもどこまでも続いている
  
  
  
  


聖地サンティアゴ巡礼 増補改訂版